量産実装の特徴
多品種強化型マウンタライン
・圧倒的な段取りスピード
国内で実装する製品は急速に多品種化が進んでおります。ビックライズでは部品セットを外段取化するとともに、マウンタに必要な部品フィーダーや交換台車の数を大幅に増やすことで機種切替え時間を短縮しています。一昔前までは当社も量産用高速マウンタを使用していましたが、部品交換をマウンタ実機を使用して行う必要があり、段取替えに非常に時間がかかっていました。段取り替えのスピードは、以前の1/4まで短縮され、1日当たりの切替え回数を大幅にUPさせています。また3ラインあるSMD実装設備については、どのラインも0402チップから実装することが可能です。
・豊富な基板種類に対応したリフロープロファイル
さまざまな業界のお客様の多品種製品の実装に携わさせていただいているからこそ、ビックライズでは基板厚0.3mmから4mmの厚さの基板やFPC、アルミ基板、鉄基板、テフロン基板などのさまざまな素材に加え、低温はんだなどの様々な材料に対応して豊富なリフロープロファイルを蓄積しています。そのため、個別にプロファイル取得ができない製品でも、推奨温度プロファイル範囲で作業ができるよう予測設定することができます。また、基板の特性に応じてはんだペーストの選定とアドバイスも行わせて頂いております。また、当社ではリフロープロファイルのシュミレーターであるKICプロファイラーを導入しています。これまでリフロー炉の最適設定の条件出しには、熟練者の経験値や膨大な時間を必要としていました。KICプロファイラーは、測定したプロファイルデータをコンピューターが分析し、最適条件を導くことで、経験値の差や作業員によるバラつきを最小限にすることができます。
最新の生産設備・検査設備をご用意(設備一例)
・高精度マウンタ(RS-1R)
0201サイズから大型異形部品まで幅広い部品実装に対応している最新設備です。電動式テープフィーダーに対応しており、吸着位置の補正機能で吸着位置を自動的にコントロールできることから、微小部品の高精度搭載に適しています。また、ノズル数の増加と匠ヘッドと呼ばれる独自の機構で、これまでのマウンタと比較し実装スピードが約2倍高速化しています。より詳しいスペックについて下記よりメーカーサイトでご覧いただけます。
・3D画像検査機(RV-2-3D)
高さ分解能0.1μm、繰り返し精度10μmの高精度分解能で高精度で鮮明な3D画像を取得します。これまでの2D検査機と比較して、特に高さ方向の不良に対して圧倒的な検出能力を発揮します。2D検査機は、対象物に光を当ててその反射の仕方で形状を予測する検査に対して、3D検査機では高精度で撮影した基板の3D形状を解析し、部品のはんだの輪郭・高さ・明度などで形を比較し、基板良否判定することができます。例えば、ガルウィングタイプの部品リード浮きは2Dでは見つけにくく、3D検査では精度良く検出できる不良項目の1例です。
・X線透過装置(FX-400tRX)
1000倍拡大検査可能なX線観察装置を導入しています。またこのX線は6mmの厚さを100層に分割して画像取得できる機能がついています。量産実装では、お客様と事前打ち合わせの上、全数もしくは抜き取り検査を実施しています。また実装後の不具合に対して観察用途でお使いいただくケースが増えています。X線検査装置のページは下記よりご覧いただけます。
・ウェーブはんだ付け装置(SPF2-400N)
N2パージタイプの自動はんだ付け装置。プリヒーター能力が高く、鉛フリーはんだ実装で課題となるスルーホール上がりを解消できます。また、整圧フロー方式を採用しているため、安定した噴流(ウェーブ)ではんだ付けが可能です。
自社独自システムによる管理
ビックライズでは、自社で開発した独自システムを運用して、受注から出荷までの製品管理、工程管理、出荷管理を行なっています。製品管理では、使用するメタルマスクや図面、注意事項の資料をはじめ作業順序に至るまでを製品登録し管理をしています。また、工程管理では各工程の作業期間、現品票の発行や作業記録の発行、出荷管理では出荷日や出荷先などの管理を行なっています。多品種機製品の品質を維持し、ご要望納期通りに実装するにはこのシステム管理が不可欠と考えています。
預かり部品管理
保管管理をさせていただく預り部品は、独自システムに登録し数量管理を実施します。当社にて実装毎に部品数をカウントしシステム更新するため、実装毎に棚卸しが行なわれます。またリール単位で管理を行うため、リールごとの残数も把握可能です。部品残数はCSVで出力可能ですのでお客様と部品残数を共有することができます。
また、2022年7月より部品のカウントを従来のリールカウンターからX線リールカウンタ「XQuik II Plus」を導入し、スピードと精度を高めています。従来のチップカウンタは数量カウントに時間がかかり、なおかつカウント数の間違いや、そのハンドリングで部品の仕損や部品リードが曲がる等のリスクがありました。高精度でカウントできる上、非接触でカウントすることでこれからのリスクを軽減することができます。7インチのリール(小リール)を4本で20秒以下でカウントすることが可能です。
担当者のコメント
検査を担当している青木です。量産実装では3D画像検査による検査をおおすすめします。部品をカットリールで購入した場合、ICの足曲がりが発生しているものもあります。3D検査機であれば、これまで見づらかった足浮きなども検出できます。また、ビックライズでは、不具合品に対して検査記録を残し、修正箇所・再検査の結果についてトレサビリティーが取れるようにしています。